骨盤内炎症性疾患（PID）とは

PIDを発症しやすい人

PIDはどの年齢でも発生する可能性があります。ですが、ほとんどの女性は10代後半または20代前半に感染症を発症します。多くの人は、感染してから数年ほど経過するまでPIDを患っていることに気付きません。感染している時間が長いほど、健康上の問題が増えるリスクが高くなります。性的パートナー数が多いほどリスクが高くなります。既往歴でPIDがあると、PIDを発症する可能性が高くなります。 

症状

PIDの症状は、よくある健康問題の症状と類似しています。これがPIDの診断を難しくしています。次のような症状が含まれます。

• 骨盤の痛み

• 性交中の痛み、またはその後の出血

• おしっこが痛い、または頻繁に出る

• 発熱、悪寒、またはその他のインフルエンザのような症状

• 悪臭を放つ膣からの分泌物

• 通常とは異なる膣からの出血 

• 胃のむかつきと嘔吐

• 右上腹部の痛み

PIDの感染経路

PIDは、特定の細菌が生殖器に感染したときに発生します。多くの場合、これはSTI（性感染症）に感染しているために発生します。女性は避妊のためにIUD（子宮内避妊器具）を使用しているときにPIDを発症する症例もあります。感染は、IUDが挿入されてから最初の3週間によく発生します。PIDは次のように発生すると考えられています。 

1. 性交中に陰茎から膣内に精液が送られます。STIの原因となる細菌が精液と一緒に侵入する可能性があります。

2. 細菌は子宮頸部を通過して子宮に入る可能性があります。

3. 子宮から卵管や卵巣に細菌が移動します。こうして感染が拡大します。

4. 感染は卵管から身体のほかの部分に広がる可能性があります。

治療

PIDと診断され治療を早くから始めると、多くの場合治癒することが可能です。ですが、治療しないままでいると、PIDは深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。これらには、生殖器の損傷、骨盤痛、妊娠の問題（不妊症）が含まれます。まれに、PIDの合併症が生命を脅かす可能性もあります。これが、PIDはできるだけ早く治療する必要がある理由です。