ブドウ球菌感染症(非メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
ブドウ球菌感染症は細菌によって引き起こされます。この細菌は黄色ブドウ球菌と呼ばれます。これらの細菌は一般的な細菌です。ほとんどの健康な大人は通常、鼻と皮膚にブドウ球菌を持っています。ほとんどの場合、これらのブドウ球菌が発病につながることはありません。ですが、皮膚に傷口がある場合、そこからブドウ球菌が体内に入ってしまうことで感染を引き起こします。敗血症は、さまざまな問題を引き起こします。軽度の皮膚感染症を引き起こす可能性があります。あるいは、皮膚、深部組織、肺、骨、血液に重度の感染症を引き起こす可能性があります。
ブドウ球菌感染症は多くの場合、自然に改善します。あるいは抗生物質で簡単に治療できます。しかし、一部のブドウ球菌は特定の抗生物質に耐性があり、治療が困難です。このシートでは、ブドウ球菌感染症とそれを防ぐためにできることについて詳しく説明します。
ブドウ球菌はどのようにして拡散するのか?
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ブドウ球菌は鼻腔に定着するため、皮膚感染症はしばしば鼻または口、あるいはその両方の近くで発生します。 |
ブドウ球菌は感染した人の皮膚に接触することで拡散します。また、ブドウ球菌に汚染された物体との接触によっても広がります。これには、次のような感染症が含まれます。
ブドウ球菌感染症の感染リスクが高い人
ブドウ球菌感染症にかかる可能性は誰にでもあります。次のようなリスク要因のある人は、感染の可能性が高くなります:
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ブドウ球菌を持っている人と生活している、または濃厚接触している
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開いた傷口やただれがある
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皮膚に切り傷やその他の損傷がある
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競技者間の接触が高いコンタクトスポーツをする、またはタオルもしくは運動機器を共有する
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最近または現在、病院に入院もしくは長期療養施設に入居している
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最近手術を受けた、傷の手当てを受けた
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栄養用チューブまたはカテーテルが体内に挿入されている
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透析を受けている
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免疫力が低下している、または重篤な疾患がある
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違法薬物を注射している
ブドウ球菌感染症が引き起こす症状とは?
ブドウ球菌感染症は多くの場合、皮膚から始まります。小さな赤い隆起として現れることがあります。にきびやクモに咬まれた後のように見えるかもしれません。これらの傷は、膿が溜まった感染症(膿瘍)に変化することがあります。ブドウ球菌感染症がさらに体内まで広がる可能性があります。その結果、次のような症状を引き起こすことがあります:
ブドウ球菌感染症の診断
ブドウ球菌感染症は視診で判断できることがよくあります。傷口から漏れる体液のサンプルを採取することもあります。サンプルは検査室に送られ、培養されます。より重篤な感染症の場合は、他の検査が行われる場合があります。血液や尿、肺からの粘液(痰)、または感染組織の生検のサンプルが検査されます。サンプルは臨床検査機関に送られ、ブドウ球菌の検査が行われます。
ブドウ球菌感染症の治療
軽度の皮膚感染症は、多くの場合、温かい浸漬液と包帯を含む基本的な創傷ケアで治療します。感染がより重篤な場合は、抗生物質が処方される場合があります。錠剤として服薬する場合と、軟膏として皮膚に塗る場合があります。さらに重度の感染症の場合、医師がより強い抗生物質を静脈内投与することがあります。膿が溜まっている場合は、これを排出する場合もあります。
ブドウ球菌感染症の予防方法とは?
ブドウ球菌感染症を予防するには:
手洗いのコツは次のとおりです。
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石鹸と清潔な流水を使用してください。しっかりと泡立てます。
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手全体、爪の下、指の間、手首をきれいにします。
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少なくとも20秒間手を洗います。汚れをぬぐい落とすだけでは足りません。しっかりと擦り合わせて洗います。
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清潔な流水でしっかりと手を洗います。
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しっかりと手を乾かします。ペーパータオルを使って蛇口を締めてドアノブを掴んで扉を開くようにします。
アルコールベースのハンドジェルを使用する際のヒント(石鹸と水を使用できない場合):
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少なくとも60%のアルコールを含むハンドジェルを使用します。
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手全体が完全に濡れるぐらいまで十分なジェルを使用します。
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手を勢いよくこすり合わせます。手の甲、手のひら、指の間、手首をきれいにします。
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ジェルがなくなり、手が完全に乾くまでこすり合わせます。これにかかる時間はおよそ20秒です。
抗生物質を正しく服用する
MRSA について聞いたことがあるかもしれません。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のことです。ブドウ球菌の一種で、これまで殺菌に使用していた抗生物質では殺すのが難しい(耐性がある)ものです。これは、ほかの種類のブドウ球菌で効いていた抗生物質(メチシリンなど)では細菌を治療できないことを意味します。しかし、他の抗生物質は効果があるかもしれません。
耐性菌は他者から感染します。または、抗生物質が処方されなかったり、正しく服用されなかった場合などに発生します。抗生物質が正しく服用されないとは:
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必要以上の期間服用する
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必要な期間服用しない
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必要ないのに服用する
原因:
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医師は抗生物質が必要であると確信しない限り、抗生物質を処方しない場合があります。
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抗生物質は医師の指示に従って正確に服用する必要があります。
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服用をスキップしてはいけません。
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たとえ気分が良くなったとしても、薬は飲み終わるまで服用する必要があります。
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